ガブリエル シャネルの精神に基づき、若き音楽家に演奏の機会を与えるシャネル・ネクサス・ホールのシリーズ企画「シャネル・ピグマリオン・デイズ」。年々ファンが増える一方の同プログラムも、今年でいよいよ15年目。昨年までに73名の演奏家が巣立っていった。ここでは演奏会の魅力とともに、2019年の参加アーティスト5名の意気込みをお届けする。

若き音楽家たちの芸術性を花開かせる、ガブリエル シャネルの精神

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シャネル・ピグマリオン・デイズが開催されているシャネル・ネクサス・ホール。シャネル銀座ビルディングの4階にある。

 ギリシャ神話に語源を持つ「ピグマリオン」という言葉は「才能を開花させる人」を意味するという。ココ シャネルもまた「ピグマリオン」と呼ばれ、ピカソやストラヴィンスキーといった同時代の芸術家たちの創造性を信じて、熱心に支援したことで知られる。

 シャネルの精神を受け継ぎ、2005年の設立以来、アーティストを支援し続けているシャネル・ネクサス・ホール。その活動のひとつが、若い音楽家たちを育成し、年間を通して数回にわたるコンサートの機会を贈るプログラム「シャネル・ピグマリオン・デイズ」だ。

 今年も、将来を期待される2名のヴァイオリニストと3名のピアニストが選ばれ、7月から12月にかけて各6回のプログラムを演奏する。無料・抽選制のこのコンサートは広く一般に開かれ、リピーターも多く、若き演奏家たちを鋭くも温かい目で見守る熱心なファンに支えられている。

 技術面だけでなく、コミュニケーションスキルを磨き、人間的にも成長する過程となるようにと、演奏会では自身でセレクトした楽曲の構成について、自分の言葉でプレゼンテーションする時間を設けている。ヨーロッパの文化に歴史的に根づいてきた室内楽のサロンコンサート形式で、ステージと客席が音楽を通して対話するような雰囲気も大切にしてきた。

 そこで今年の演奏家たちに、自身の楽曲構成のテーマや聴きどころ、またプログラムを決めるにあたり苦心したことなどを訊ねた。