理論物理学の博士号をもち、有名進学予備校で数学の講師を務める一方、自ら主宰するソムリエスクールで教鞭を執るほか、飲食店経営やワインと日本酒の輸出入業も行うなど、ユニークかつパワフルに活動するワイン研究家、杉山明日香さん。本連載では、彼女が毎月視察に訪れるというシャンパーニュ地方の“今”にフォーカス。

仕事を始めて6年、やっと自分なりのアプローチや哲学が見えてきた

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アヴィーズ村のフォス・オ・プルソーという畑にて。こちらの畑のブドウからシュブスタンスのベースワインが造られる。セロスの畑には雑草も多く生えていて、ふかふかの絨毯のように柔らかい。

後編では、ジャック・セロスの若き後継者となるギヨーム・セロスさんにインタビュー。ギヨームさんが気に入っているという、畑の区画へ向かいながら、お話を伺いました。

明日香:2018年、ここまでの特徴は?

ギヨーム:まず、冬に氷点下になるほどの寒さでない限り、クレ(=石灰)は割れないので、新しい根が地中深くまで伸びにくいんですが、2018年の冬はかなり寒かったので根がしっかりと伸びているはず。これが非常に大切です。この数年はそこまで寒くなかったけど、今年は期待できると思います。
 ただ、今年はミルデュー(=ベト病。カビ由来の病害)が多いので、対策として銅の粉やオレンジの皮のエキスを撒いています。オーガニック栽培において、ブドウの葉が病気になることまでは仕方ありませんが、実に影響が出るのは避けなければなりません。

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同じくフォス・オ・プルソーの畑にて。セロスのブドウ樹はほかの畑のものよりも少し高め。ギヨームさんがミルデュ(ベト病)になった葉を見せてくれた。葉にはいくつか白い斑点ができていたが、オレンジの皮のエキスを撒くことで対応できるとのこと。