近年流行なのはパフェだけれど、ちょっとヘビーだと感じるなら、プリン・ア・ラ・モードという選択肢はいかが? プリンに、アイスに、色とりどりのフルーツ……おいしいものが少しずつ集まった、見目うるわしくクラシカルな大人のスウィーツ探訪記。記念すべき第1回は、古くからハイカラで鳴らす横浜へ。

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戦後、アメリカGHQの将校のために誕生した至福のデザート

 山下公園越しに港を望む、横浜のクラシックホテル「ホテルニューグランド」。実はここがプリン・ア・ラ・モード発祥の地だ。戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の将校宿舎として使用されていた時代、滞在しているアメリカ軍将校とその家族が喜ぶデザートメニューとして開発されたのが始まりである。

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関東大震災後の横浜復興のシンボルとして開業したホテルニューグランド。設計は、銀座和光などの設計を手がけた近代モダン建築の名手・渡辺仁。

 1927年、港町の外国人来賓向け高級ホテルとして開業したニューグランドは、当時からヨーロッパ式のホテルサービスを提供していた。戦後の占領下でアメリカ軍将校の宿舎となってからは、本国で封切られたばかりの映画が上映されたり、アメリカからの物資を使った西欧料理が振る舞われたりと、“日本の中の外国”といった趣を深めていく。

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今でも当時のプリン・ア・ラ・モードが味わえることで人気の「ザ・カフェ」。その入り口の上部には、ホテルの開業年である「AD1927」の文字も。経産省による近代化産業遺産に認定されている由緒正しい建築だ。