ブノワ:私はロゼワインの味わいに苦みが欲しくないので、醸し中のジュースをプレスせずに抜いていきます。結果としてこのやり方だと造れるボトル数が10%ほど減ってしまうのですが、プレスしないというのがポイントですね。

明日香:なるほど。ピュアなムニエの果実味を感じますし、酸もきれいでクリアな印象ですが、後半にうま味がぐっとのびてきますね。お魚や鶏などの白系のお肉の炭火焼など、いろいろな和食に合いそうです。

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左から、「イニシャション」「ラ・リュー・デ・ノワイエ」「ラ・リュー・デ・ノワイエ ロゼ・ド・セニエ」「コトー・シャンプノワ・ラ・リュー・デ・ノワイエ」。

ブノワ:ありがとうございます。では最後に「ラ・リュー・デ・ノワイエ コトー・シャンプノワ・ルージュ(La Rue des Noyers Coteaux Champenois Rouge )」を。

明日香:うれしい! ムニエ100%のコトー・シャンプノワ・ルージュ(=シャンパーニュ地方で造られるスティルの赤ワイン)は、ほぼ造られていないので。これ、ブラインドだと、ブルゴーニュのピノ・ノワールの赤ワインと間違える方が多そうなぐらい、素晴らしいバランスですね。

ブノワ:そう言ってくれてうれしいです。実は、ブルゴーニュで私のワインをブラインドテイスティング会に提供したとき、出席者全員が私のワインがコート・ド・ニュイ地区の北部、南部のどちらから来たかの議論に集中していました。誰も、シャンパーニュ地方のムニエからの赤ワインと思わなかったのです! 私は、自分のムニエがこの味に到達したことを誇りに思いました。

明日香:素晴らしいですね。この赤ワインも、また和食のメインに合いますね。幽庵焼きや西京焼きのように、醤油や味噌のうま味と甘みを感じられるようなものが食べたくなります。

ブノワ:私は以前から日本に魅了されていましたが、なかなかつながる機会がありませんでした。今では、自分のシャンパーニュを日本へ輸出することができるようになり、実際に日本へ行って文化や料理を発見することで、私のワインが日本料理に合うと感じています。なので、明日香さんが自分のシャンパーニュが和食に合うと言ってくれて、素直にうれしいですし、ますます美味しいものを造ろうという意欲が湧いてきました! 今日はこのフォソワ村まで来て、インタビューしてくれてありがとうございます。

明日香:ブノワさん、こちらこそ新しい挑戦を一緒に味わわせてくださって、本当にありがとうございました!

Photos:Yuji Ono Text:Asuka Sugiyama Editor:Kaori Shimura

前編

杉山明日香のシャンパーニュ紀行 Vol.13 デウ・ペール・エ・フィス〈前編〉

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