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残暑厳しいこの折りに、夏の疲れで食欲が落ちていても箸が進む、こだわりの冷たい蕎麦はいかがだろうか。、居心地のいい蕎麦屋を2店紹介する。江戸時代から続く、蕎麦の前に酒肴で一杯という粋な大人の「蕎麦前」もぜひ。

勢揃坂 蕎 ぎん清
お茶漬けのようにサラリとたぐる、梅の酸味が決め手の夏限定蕎麦

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毎年定番の夏季限定メニュー「冷かけ梅おろし蕎麦」(¥1,200/税込み)。コシが強い蕎麦に薬味をたっぷりからめていただく。梅干しの塩味と酸味が、身体に染みわたるよう。

 昔ながらの酸味の強い梅干しに、大根おろし、大葉、茗荷(みょうが)を加えた、清涼感ある「冷かけ梅おろし蕎麦」。カラフルな五色あられは見た目にも楽しく、時間とともに出汁(だし)を含んでいく。「サラリと食べられるお茶漬けのイメージで作りました。梅干しは、私が生まれ育った伊勢志摩の実家の庭でとれた梅を母が漬けたもので、この酸っぱさがちょうどいいのですよ」と語るのは、店主の前田銀次さん。

 蕎麦を口にすると「本当に二八(にはち)蕎麦?」と疑ってしまうほど、蕎麦の甘み、旨み、香りの豊かさを存分に味わうことができる。粗挽きにすることによって、蕎麦本来の風味が引き出せるのだという。澄んだ汁は、すべて飲み干してしまうほど上品で優しい仕上がり。宗田節と鯖節に、オープンから使い続けている返しを加えている。蕎麦のラインナップは、定番と季節替わりを合わせ10種類以上。

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店主の前田銀次さん。1962年、三重県生まれ。様々なジャンルの飲食店を経験し、2011年2月に「勢揃坂 蕎 ぎん清」を独立開業。接客を担当する女将と共にゲストをもてなす。

 店主の前田銀次さんの経歴は多彩だ。河豚(ふぐ)、ちゃんこ、すし店などをそれぞれ3年ずつ、さらに前職はバーテンダーで、フランス料理店での経験もある。「蕎麦しか出さない、酒は1種類だけ、という蕎麦屋ではなく、お客様が美味しい肴で飲んで、お好みの蕎麦で締めるお店がやりたくて始めました」と前田さん。さらにこう続ける。「蕎麦はよく産地の話になりますが、そこにはこだわりません。その時期に一番いいものを選ぶだけ。ただし、石臼での自家製粉には徹底したこだわりがあります。すべては、お客様がどう感じてくださるか次第。そこに尽きます」。

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