お金では買えない体験を提供

 ローズウッドホテルの歴史は、1979年、石油王の娘キャロライン・ローズ・ハントが、大邸宅に世界クラスのレストランとホテルを開業したことにさかのぼる。 現在のローズウッド ホテルズ&リゾーツは、世界16カ国にウルト ララグジュアリーなホテルを28軒展開するホテル運営会社だ。

「ローズウッドのブランドを特徴づける考え方は、センス・オブ・プレイスです。その土地の魅力をセレブレイト(祝福)して、文化 や歴史、遺産を大切にし、ホテル の中にそれらを織り込んでいくことを目指しています」

 2011年 に ローズ ウッド ホテルズ&リゾーツを買収してから、パリのオテル ドゥ クリヨン ローズウッドホテルやローズウッド ロンドン、ローズウッド 香港など、スピード感を持って数多くのホテルを開業させてきたソニア・チェンさん。ラグジュアリーホテルビジネスを成功させるために、重要なポイントとは何だろうか?

Sonia Cheng
ハーバード大学で経済学を専攻し、応用数学の学士号を取得した後、大手国際投資銀行や米国プライベート・エクイティ企業に勤務。2008年に、香港を拠点にするニュー ワールド グループに入社し、ローズウッド ホテルズ&リゾーツを含む3つのホテルブランドを監督するローズウッド ホテル グループの最高経営責任者に就任。2011年にニュー ワールド グループが買収したローズウッド ホテルズ&リゾーツは、世界中にホテルを展開するウルトラ ラグジュアリー ホテルブランド。現在は、香港在住。4人の子どもの母でもある。
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「まず、必要なのはイノベーティブなサービスを提供するということ。最近のラグジュアリートラベラーの方々は、本当に世界中をよく旅行していて、すべてを見尽くしています。そういう方たちに対して、新しくあると同時に心に響くような経験を提供することが大切だと思います。二番目は、コンシスタンシー、一貫性を維持するということです。サービスにしろ、クオリティにしろ、私たちの ホテルのDNAを貫くということ ですね。三番目は、パーソナライズ。お客さまは、自分のことを知っていてほしい、理解してほしいと求めています。接客もサービスも、お一人お一人のゲストに向けてパーソナライズされたものを提供することが大切です。」

 またコロナ渦における対策として、ローズウッド ホテルズ&リゾーツでは「コミットメント トゥ ケア」、「ローズウッド レイズ」など、ゲストや従業員、コミュニティが安心できる環境を提供している。「コミットメント トゥ ケア」は、包括的で厳格な衛生管理規則の慣行を、スタッフとゲストとの対面エリアの両方で取り組む多面的な衛生管理プログラムで、グループすべてのホテルとリゾートで実施している。

 そしてローズウッド ホテルズ&リゾーツでは今年以降、スペインのマドリードやイタリアのサルディーニャ島、中国の上海など、傘下で4軒の新しいホテルを開業すると発表した。さらに今後、世界各地で21軒の新規開業案件を手がける計画もあり、世界を飛び回るジェットセッターのチェンさん。 仕事とプライベートをいかに両立させているのだろうか。

「簡単ではないですね(笑)。でも、私は時間の長さではなくて質が大切だと思っています。4人の子どもがいますが、夜は子どもたちを寝かしつけるまで1〜2時間を取りますし、週末は子どもと過ごす時間にしています。その時間には電話やEメールを一切しないで子どもに集中することで、バランスを取っています」