在宅時間が長くなると、着飾るための服よりも、快適なホームウェアや着心地のいいインナーが欲しくなってくるもの。中でも下着は「盛って」綺麗に見せるというよりも、体に優しく寄り添い、ずっと身につけていても疲れないもの、天然素材で肌に負担感のないアイテムが気になる。「他人にどう見えるか」ではなく、「いかに気持ちがいいか」にこだわった、自分目線のインナーを着て一日を過ごせば、在宅勤務のストレスも軽くなるはず。女性開発者ならではのこだわりが込められた、麻とシルク100%の2つの新ブランドを紹介。

さらさら感触で心まで軽くなる、麻100%のインナー。

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付属の小さな白い袋は、洗濯ポーチとして使える。更麻 キャミソール¥7,500、ショーツ ¥4,800(ともに生成のほか白の2色、各2サイズ展開)/中川政七商店 https://www.nakagawa-masashichi.jp/

 中川政七商店で今年スタートした、麻100%のインナーブランド「更麻(さらさ)」。下着の素材というと、今は化学繊維や綿を思い浮かべがちだけれど、もともと「ランジェリー(lingerie)」の語源はフランス語でリネンを意味する「linge」だそうで、麻の下着の吸湿性や速乾性、抗菌力は古くから愛されてきた。現代では、麻は伸縮性や柔軟性に欠けるため、他の素材に押されてしまっているが、日本のメーカーの高い技術力で、麻100%とは思えないほど柔らかな肌触りと伸縮性が実現した。

 「更麻」の商品開発をしたのは、中川政七商店のデザイナー、河田めぐみさん。和歌山県にあるオカザキニットが、麻にシルクプロテインの浸透加工をすることで柔軟性をアップし、伸縮性のあるフライス編みを成功させたことに注目、その「リネンフライス生地」のサンプルを一昨年の3月に取り寄せたことから企画がスタートしたという。

 しかし時間をかけてコンセプトやデザインを決定し、実際に商品の生産に入ってみると、麻の「呼吸する」という特性により、湿度の高い夏にはフライス編みができても、乾燥する冬には糸の強度が下がり、生地が編めなくなることが判明。代替素材への変更も考えたが、妥協せずにこの生地を完成させることにし、発売も約1年間延期したという。また黒に染めると繊維が弱くなったことから、カラー展開も生成と白の2色に絞った。

 実際に手にとってみると、まず、麻のゴワゴワ感がまるでなく、とにかく軽く薄く、繊細でソフトな手触りであることに驚く。そして身につけてみると、天然素材ならではの心地いい肌触りと、熱がこもらず湿度を自然に調整してくれる快適さを実感する。

 以前、ベッドシーツを綿から麻100%に替えたとき、夏にさらさらと涼しい感触が味わえるのはもちろん、冬はきちんと暖かくて万能なことに驚いたが(値段も10万円以上したけれど)、その温度・湿度の調節力に加え、他の素材にはない爽やかさを感じるのは、古くから神事にも使われてきた麻ならではの特性かもしれない。また使い続けていくうち、さらに肌になじんで柔らかになっていく、いわゆる「経年美化」が楽しめるのも魅力だ。

 1716年(!)に麻織物の卸問屋として創業したという中川政七商店らしい、新しい麻の魅力を、文字通り肌で感じられるインナーウェアだ。

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〈左〉「更麻」にはキャミソール、ショーツのほか、タンクトップとショートスリーブTシャツも。薄手でアウターに響かないので、オンタイムの着こなしにもおすすめだ。/中川政七商店 https://www.nakagawa-masashichi.jp/〈右〉中川政七商店ではエコバックにも、薄くて丈夫な麻のラインナップが。服に特化した新業態「中川政七商店 分店 服」だけの限定エコバッグは、写真のように四角くコンパクトにたたんで持ち運べる。麻のエコバッグ(生成、紺、白)各¥3,600/中川政七商店 分店 服

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