ワインに代わる? イタリアンラベル「三井の寿 ひやおろし 秋純吟 ポルチーニ」

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「三井の寿 ひやおろし 秋純吟 ポルチーニ」720ml¥1,300

 まるでワインのようなデザインが印象的な、みいの寿によるイタリアンラベルシリーズ。イタリアの松茸といわれる「ポルチーニ」を冠したこちらは、春に登場する無濾過生のうすにごり「クアドリフォリオ(四つ葉のクローバー)」を濾過した後、火入れをしたひやおろし。山田錦系統の「吟のさと」を使い、オリジナルのMI3酵母が、ポルチーニの名にふさわしい香り高さを生み出している。「同じお酒でもこんなに変化するの?」という「クアドリフォリオ」との違いも体験していただきたい。ちなみに、夏は「チカーラ(蝉)」、冬は「ネーベ(雪)」というラインナップで、愛らしいキラキラしたラベルが目をひく。

「十数年前、日本酒が売れなかった時代に、日ごろワインを飲んでいる方々に試してもらうため、何のお酒かわからないお酒を造ろうと誕生したのがイタリアンラベルシリーズです」と語るのは、みいの寿の蔵元杜氏の井上宰継さん。斬新な試みで新たな日本酒ファンを獲得している。その一方で、戦前の幻の酒米「穀良都(こくりょうみやこ)」を12粒から復活させ、当時の仕込み技術を再現した酒も完成させた。伝統と革新の両面で注目を集める酒蔵だ。


みいの寿
福岡県三井郡大刀洗町栄田1067-2
TEL:0942-77-0019

秋の日本酒、「ひやおろし」と「秋上がり」とは?

 酒販店に「ひやおろし」や「秋上がり」と書かれた日本酒が並ぶこの季節。秋の訪れを告げる季節の限定酒だが、2つの違いをご存じだろうか? 定義については諸説あるが、より美味しく味わうための知識としてご紹介しよう。

 「ひやおろし」は、遡ること江戸時代、冬に搾られた新酒が劣化しないよう、春先に火入れをして大桶に貯蔵し、ひと夏を越して涼しくなった秋に、2度目の加熱殺菌はせずに「冷や」のまま、大桶から樽に「卸して」出荷したことから「冷や卸し」の名がついたそう。日本酒の製法を表す用語として、現在も使われているのだ。

 一方「秋上がり」は、酒質を表す言葉。寒造りで製造された日本酒が、貯蔵され夏を越すことで、秋に酒質が向上することをいう。新酒特有のフレッシュさが、熟成によってまろやかで深みのある味わいへと変わったものを指すのだ。逆に酒質が向上しなかった場合を「秋落ち」という。

 つまり、夏を越えて秋口に熟成した状態を「秋上がり」と呼び、「秋上がり」した日本酒を出荷することを「ひやおろし」と呼ぶ。いずれも秋限定の日本酒を表しているので、ぜひこの季節に、旬の食材と共に味わっていただきたい。

 ちなみに出荷時期は蔵ごとに異なる。かつては「外気と酒が入った桶の温度が同じになった秋口」とされていたが、年々早まっている傾向にあるようだ。一般的には、9月頃から順次リリースされていく。そのなかで長野県は、毎年9月9日(重陽の節句)をひやおろし解禁日に設定している。

外川ゆい
フードジャーナリスト。
外川ゆい 1980年生まれ。グルメ誌やライフスタイル誌を中心に、レストラン、ホテル、お酒など、食にまつわる記事を幅広く執筆する。なかでも日本酒をこよなく愛し、蔵元とお酒を交わす時間がなによりの至福。相手への敬意を込め、常日頃から和装。

Photos:sono(bean) Text:Yui Togawa Edit:Mizuho Yonekawa

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