コロナ禍の中、あらためて自然の偉大さや貴重さに思いを馳せたという人も多いはず。その自然が豊かな土地の中でも特に「顕著で普遍的価値」があるとして、ユネスコの世界自然遺産に登録されている地域が日本には4つあるが、1993年にいち早く、白神山地とともに日本初の世界自然遺産に登録されたのが屋久島だ。

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自然遺産に登録されるには、「自然美」「地形・地質」「生態系」「生物多様性」のいずれかが認められることが条件になる。このうち「生態系」は、屋久島、白神山地、知床、小笠原諸島のすべてで評価されており、「生物多様性」は知床が認められているが、屋久島は日本の自然遺産で唯一、「自然美」も認定されている。その類い稀な美しさとともに、縄文杉だけではない、屋久島の新しい魅力を豊富な写真とともに紹介する。

豊かな自然に包まれて、自分をリセット。

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映画『もののけ姫』のモデルといわれている白谷雲水峡では、美しい苔や清流、屋久杉の原生林を歩くことができる。

 全面積の約9割が森林で、島の約2割にあたる10,747ヘクタール、東京ドームで2,286個分以上の広さを自然遺産地域に登録されている屋久島。「屋久杉が育つ島」というイメージが強いが、実は海岸線近くの照葉樹林から、山間部の杉を中心にした針葉樹林、そして九州の最高峰、宮之浦岳(1,936m)など山頂部の高山植物帯まで、標高ごとに多様な植物が育ち、それにともない豊かな生態系が見られることが、自然遺産に認定された大きな理由だ。

 海岸付近には南国らしいガジュマルなどの亜熱帯植物、比較的低地には椎(シイ)や樫(カシ)など常緑広葉樹の暖帯植物、山を登るにつれて樅(モミ)などの温帯植物、そしてヤクザサなどの亜高山帯植物まで……緑の中に足を踏み入れれば、1つの島とは思えないほど多彩な植物と、貴重な生物に出合うことができる。

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杉の通常の寿命は500年程度だが、屋久島では樹齢2000年を超える巨木も多くある。屋久島では、原生林の中で育ち、樹齢1000年を超えるものを「屋久杉」、1000年以下のものを「小杉」、ここ数十年間で植林されたものを「地杉」(じすぎ)と呼んでいる。

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