文筆業の敦子が住まう「モチの家」に、夜な夜な集う4人の女性たち。食べること、恋することを、自由に貪欲に楽しむ彼女たちが、それぞれの幸せにたどり着くまでを描いた映画『食べる女』。出演の鈴木京香さんは、どこか古風なこれまでのイメージを覆す、奔放な“年下キラー”を自認する小料理屋の女将・美冬を演じ、話題を呼んでいる。女優としてこれまでもさまざまな作品に出演し、さまざまな役を演じてきた鈴木さん。キャリアを重ねた上でたどり着いたのは、女優としての自分をさらにチャレンジングな場所へと導く、「ある決断」だった。

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「食べる」喜びに表れるのは、女性たちのそれぞれの生き方

──タイトルどおり、食べる場面が多い作品ですよね。どんな撮影でしたか?

 私が出ている場面は、出演者の女性たちが一緒に食べる楽しいシーンが多く、本当に和気あいあいと撮影しました。みんな「食べること」を楽しんでいましたし、「食べること」に関する話も大好き。美味しいお店の話など、いろいろな情報交換をしましたね。

──美冬が料理する場面もありましたが、鈴木さんもふだんから料理をされるのですか?

 家族と住んでいた頃から、手伝い程度のことはやっていました。東京に出てきたのは22歳で、当初はそれほど意識しなかったのですが、少しずつ「自分で料理をしたほうがいいな」という気持ちになり、「マイ包丁」をつくりました。自分の包丁を使ってリラックスしながらやると結構うまくできるのですが、撮影では現場でお借りしたものでしたし、上手にできているといいのですが(笑)。

──鈴木さんご自身にとっては、「美味しいものを食べること」「料理をすること」とはどんなものでしょうか?

 食べることは大好きですし、せっかく食べるなら、美味しいものを食べたいと思います。簡単なものでも手抜きをせず、雑には終わらせたくないなって。自分で食べるものを自分で作ることは、私にとってはごく当たり前のことです。自然と食材に工夫をしたり、こだわったりするようになり、だんだんと楽しみになっていった気がしますね。

小泉今日子さんが演じる、敦子(トン子)の家に集う女性たち。女同士だからこその、気の置けない空気が感じられる。
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──「自分で稼いだお金で、自分で作り、食べる。それがすごく幸せ」というセリフは、働く女性にすごく響くのではないかなと感じました。

 そうですね……、ただこうしたことは、誰もがいろいろな考え方を持っていると思いますし、どういうところに喜びを感じるかも人それぞれですよね。自分で働いて稼いだお金で食べる一杯のおそばもきっと美味しいでしょうし、結婚して初の旦那さまのお給料で買った食材で料理を作る喜びもあるでしょうし。私自身、自炊も楽しいけれど、美味しいお店を見つけて通うのも楽しいなと思います。

──映画の中の女性たちも、それぞれの方法で「食べること」を楽しんでいましたね。

 それぞれの生き方や考え方が、それぞれの「食べること」の楽しみ方に表れているのかもしれません。