与えられた仕事こそ、その時にチャレンジすべき仕事

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──映画では世代が異なる女性たちの友情が描かれています。鈴木さんにもそういう関係はありますか?

 自分が仕事を始めたばかりの頃、年上の先輩の方たちのカッコよさに憧れ、親しくしていただくたびに喜びを感じていました。今は私自身がキャリアを積ませていただいていますから、現場では年下の俳優さん、女優さんとご一緒することが多いですね。現場では彼らといろいろな話をしながら時間を過ごしますが、むしろ私のほうが頼もしいな、ありがたいなと思うことも少なくありません。どちらが上、どちらが下ということではなく、同じ方向を向く仲間としてのいい関係はあるものですね。

──下の世代の女優さんに、先輩として示していけるものがあるとすれば何でしょうか?

 撮影の現場では、下の世代の方は皆さん気を使ってくださいますし、きちんと接してくださいますが、私はカッコよく「先輩として引っ張っていこう」と思っても全然うまくいかないタイプで(笑)。ですからたとえ相手が年下の方でも、同年齢や年上の先輩たちと同じように接しています。逆にしっかりした後輩の方には、かえって面倒を見てもらっているような感じもあるんですよ。控室に戻る時に迷うといけないからと、手を引いていってくれたりして(笑)。演技をする上でも教えるなんてことはできないので、「ここどういうふうにする? こういう時ってどう思う?」と相談したりしています。

──大胆で自由な美冬役や、6月の舞台で演じた不倫相手と猛ケンカを繰り広げる愛人役など、最近はこれまでのイメージとは異なる役が続いていますが、役選びで何か意識されていることがあるのでしょうか?

 ここ数年は「お話をいただいたタイミングが、やるべきタイミングなんだ」と、思うようになったというところでしょうか。自分で役を選ぶという感覚を一度忘れて、スケジュールが合う限りは、いただいた役をやってみよう……と、流れに任せてみることに決めたんです。もちろんオファーが重なってしまえばどちらかひとつしかできませんし、やりたくてもやれないという時もあるのですが、それでも先に頂いた話をお受けするというルールにしています。そう決めてしまうと、スケジュールが空いているのに断ったり、好きな役を選んでしまうのは、ズルをしているような気がしてしまうんです(笑)。

──女優さんとしては、かなり「攻め」の姿勢に思えます。

 確かにそうですね。自分の意志を貫くという点においてはガッツがあるほうなのですが、その反面、小心者な部分もあって。「この役を私はできるのかしら、ご迷惑かけるんじゃないかしら」と考え始めると尻込みしてしまうから、今はとにかく何も考えずに「与えられた役が、やるべき役」という感覚でやっています。そういう形で取り組み始めたのは、ここ2年くらいでしょうか。でもとくに何かきっかけがあったわけではないんです。ですから来年になったら……どうでしょう、変わるかな。どうなるかわかりませんけれどね(笑)。