入居者の多くは、落ち着いた暮らしを好む女性たち

 ここ15年のシェアハウス市場は、働く単身女性に支えられているという。ユーザーの7割以上が女性で、その多くは20代後半~30代。近年は、40代も増加している。

「シェアハウスのユーザーは、おとなしめの性格で、落ち着いた暮らしを好むタイプが多いですね。孤独が好きなわけではないけれど、すごく社交的なわけでもない。気の合う仲間と自分なりの距離感でマイペースに付き合っていきたい人たちですね」(北川さん)

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30人ほどが暮らす中規模シェアハウス「PLEPACE komae」(世田谷区)の共用部。物件は、数人で暮らす小規模なものから、100人以上の大規模なものまでさまざま。ある程度、少人数なら落ち着いた雰囲気に、大規模ならコミュニケーションの任意性が高く都会的な雰囲気になりやすい。

 入居者同士でシェアする共用部はあるものの、もちろん個室は別にあり、交流が強制されるわけでもない。ただ、複数人が同じ建物で生活をしていれば、当然あいさつを交わしたり、時に話し込んだりという機会は自然に生まれてくる。「そうした自然なコミュニケーションの機会こそシェアハウスの魅力」(北川さん)だという。

「入居者同士は、いわゆる“ご近所”という感覚で付き合っているようです。しかし彼らの多くは、外から見ると“ご近所”よりずっと深く、まるで家族のように仲がよく見えるものです」(北川さん)

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「アウトドアでHyggeな暮らし」をコンセプトにした「ヒュッゲ菊名」。天気のいい休日は、入居者同士でBBQをしたり、シェア菜園の手入れをしたり。室内には北欧の家具も並ぶ。

 シェアハウスの人間関係は、いわば同級生や同期入社のような関係。日々のさまざまな出来事を共有し、長所も短所ものみ込んだ仲間。たとえば3年間をシェアハウスで一緒に暮らした隣人たちとは、3年間を同じ学校で過ごしたような関係になれることが多いそうだ。

最大のメリットは“食を分かち合う”喜び

 では、具体的にシェアハウスに住むメリット、デメリットとは何なのだろうか。北川さんはまず、3つのメリットを教えてくれた。

「1つめに、空間が大きいこと。同じ家賃でも、シェアハウスなら一般的な賃貸住宅よりも広い居住空間を手に入れることができます。狭い空間にずっといると、時に気が滅入る。長い時間を過ごす居住空間は、広々としていたほうが心地いいものです」(北川さん)

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大井町にある中規模シェアハウス「クランテラス品川」の明るく開放的なリビング。床面積は33畳、天井高なんと4.65m!
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「等々力ハウス」のシックなリビング。ワンルームマンション暮らしではかなわない悠々とした空間。