「ライブをやりたい」

 今回、バービーでレコーディングしたのは、解散以来ですから27年ぶり。昔と違って終始楽しい時間でした(笑)。この流れにあたっては、みんなに聞かれるんですよね。「何がきっかけで?」と。それについては、こちらが聞きたいくらい(笑)。私はずっとやりたかったんですが、なかなか男子たちのタイミングが揃わなくて。だから今回、ライブやレコーディングの話が出たときは、「えっ!?」って、思わず二度聞きしちゃいました。集まってみて思うのは、コンタも、イマサも、コイソも、エンリケもみんな、純粋にバンドがやりたいっていう原点にあらためて立ったということ。私も「お嫁」の選択肢を横目で見ながらもこれまで絶対に変わらなかったのは、「ライブをやりたい」という強い気持ちです。

 ただ、そのパッションは確かに私の中にあるのですが、転機に登場した人──美大の先輩だったり、バービーのメンバーだったり、森川最高顧問だったり──にそのつど支えられたことで形を成し、前に進むことができたように思います。そう考えると必要なのは、いつどんなボールが飛んできても打ち返すことができるための“準備”かもしれません。それは私の職業の場合は、たとえば体力づくりだったり、ヴォイストレーニングだったり。だからそれだけは、心して欠かさないようにしています。必ずしも楽しいことばかりではないですが、なんか“準備”を頑張れてしまうのは、うーん、ステージには魔法みたいな瞬間があるからかなあ……? オーディエンスの歓声が大きなエネルギーとなって、自分でも思いがけない歌い方ができたり、いつもより軽やかにステップが踏めたり。「あ、これだ!」という瞬間。あの魔法にかかりたくて、いまもライブを続けることに情熱を注いでしまうんでしょうね。

杏子
1992年、BARBEE BOYSの解散後、ソロで活動。 現在は音楽活動だけでなく、映画や舞台など、幅広いジャンルで活躍中。2018年には杏子をはじめ、オフィスオーガスタに所属するアーティストからなるスペシャルユニット“福耳”が結成20周年を迎え、これを記念したアルバム『ALL TIME BEST ~福耳 20th Anniversary~』、『シンガーとソングライター~COIL 20th Anniversary~』を2作同時リリース。同年10月、NHKホールにて行われたイベント「The Covers'Fes.2018」にBARBEE BOYSとして出演し、8年ぶりのパフォーマンスを披露。さらに今年「ARABAKI ROCK FEST.19」、「JOIN ALIVE 2019」といった野外イベントにも出演。来年2020年1月には国立代々木競技場第一体育館でのワンマンライブも決定している。

Photos:Hiroshi Kutomi (No.2) Hair&Makeup:Emi Tanaka Styling:RyokoKishimoto(W) Text:Naoko Asai Editor:Aya Aso