日本の伝統文化によって醸し続けられる国酒「日本酒」。移りゆく季節やシチュエーションに沿って、毎月厳選した3本を紹介する。今月は、深まる秋の夜に心地よい、熟成を経てまるみを帯びたヴィンテージ日本酒をセレクトした。

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 ヴィンテージと聞くと、ワインを連想する人が多いかもしれないが、日本酒業界にも古くから存在する。今回は、ヴィンテージに積極的に取り組み、数十年にわたるラインナップを誇る3蔵に注目。それぞれの蔵元に、おすすめの年代もご提案いただいた。通常サイズ(720ml)よりも小ぶりのボトル(200~300ml)は、ギフトにも最適だ。

洞窟内の温度変化が生んだ「洞窟低温熟成 熟露枯 大吟醸」

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「洞窟低温熟成 熟露枯 大吟醸 2000年」300ml ¥7,590(税込み)

 ブランド名の「熟露枯(うろこ)」は、蔵の屋号である「△(うろこ)」から命名。時の流れによって生み出された、円熟した大吟醸古酒を300mlのボトルに詰めている。島崎酒造では、1970年から現在に至るまで長期熟成酒に取り組み、現在は平成元年(1989年)~平成30年(2018年)までの30年分をリリース。同じく大吟醸の古酒の5年・10年・15年・20年のボトルや、改元を記念した「平成ヴィンテージセット」なども販売している。さらに、5年から最大20年まで保管し届ける「オーナーズボトル」もある。

 嘉永2年(1849年)創業。主要銘柄の「東力士」は、2代目が無類の相撲好きだったことから命名。熟成酒の先駆者であり、第二次世界大戦末期に戦車を製造するために建設されたという地下工場跡地の洞窟には、約10万本の酒が眠っている。夏期15℃、冬期5℃、年間平均10℃という洞窟内の気温は、暑すぎない温度帯が維持されつつ、季節による温度変化により貯蔵瓶内に対流が生まれ、じっくりと熟成が進む。3月から12月の休日には、洞窟酒蔵を見学(無料・要予約)できるので、実際に足を運んでお好みのヴィンテージを購入するのもいいだろう。


島崎酒造
栃木県那須烏山市中央1−11−18
TEL:0287-83-1221
http://azumarikishi.co.jp/