昨年、厚生労働省が初めて「シワへの効果」を認めて話題になった「ポーラ リンクルショット メディカル セラム」の発売や、この秋には3ブランドが一気にデビューするなど、化粧品業界において革新を起こし続けているポーラ・オルビスグループ。投資先としても人気で、株主の約半数を女性が占めるという。その背景をNikkeiLUXE編集長の米川瑞穂が、ポーラ・オルビス ホールディングス藤井 彰取締役にインタビューした。

9の化粧品ブランドが輝き続ける理由

米川(以下Y)ポーラ・オルビスグループは、ポーラをはじめオルビス、ディセンシア、THREE、ジュリーク、H2O PLUS、さらにこの秋にAmplitude(アンプリチュード)、ITRIM(イトリン)、FIVEISM×THREE(ファイブイズム バイ スリー)がスタートするなど、実は9つもの化粧品ブランドを擁しているんですよね。ブランドの個性も多岐にわたりますが、グループで共通するコンセプトや企業理念はあるのでしょうか?

[画像のクリックで拡大表示]

藤井(以下F)グループで共通しているのは、スキンケアに強みがあるということです。日本の化粧品市場全体では、スキンケアの売り上げ比率は45%くらいといわれていますが、ポーラ・オルビスグループでは60%強をスキンケアが占めています。スキンケア製品の研究開発力が高く、多くのデータを蓄積しているのが一番特徴的だと思います。
 実はその企業姿勢は、創業の1929年に遡ります。現社長の祖父が静岡で創業したのですが、厳しい生活のために手が荒れてしまった妻をいたわって、独学でハンドクリームを作ったことが創業のきっかけです。作ったクリームを自転車に載せてお客様を訪ね、一人ひとりに使い方を説明しながら販売していったといいます。自ら研究開発をし、今でいうカウンセリングをしてお客様に直接販売するというのは、創業当時からの姿勢です。これはグループの基幹ブランドのポーラ、そしてオルビスのダイレクトセリングにもつながります。そして非常に妻思い、女性思いだったというところも、今でもグループの中で共通する価値観であると思います。

[画像のクリックで拡大表示]

Y:グループ全体では8期連続の増収増益。その原動力は何でしょうか?

F:まずは、お客様と直接リレーションを築けていることが非常に強みになっていると思います。特にポーラでは、2005年にスタートさせた「ポーラ ザ ビューティー」という業態が順調に成長。これはエステとカウンセリング、販売を融合した路面店なのですが、訪問販売のよさは残しながら、新しい時代にマッチしたカウンセリングエステというスタイルに昇華できたと思います。

Y:それによって新たな顧客層も広がったのでしょうか?

F:そうですね。以前は訪問販売が中心でしたが、今はもうエステインやポーラ ザ ビューティーといった店頭での販売が約9割を占め、若いお客様が増えています。さらに、そうした新しい業態に、優秀な若いビューティーディレクター、昔でいうポーラレディが増えてきています。
 ビューティーディレクターは、「お客様が綺麗になり、喜んでもらえる」というやりがいがあり、3年ほどで自分のお店を持つことができる方もいるので、自分でサクセスストーリーが描けるという仕事です。今の就職は売り手市場といわれていますが、当社には本当にいい方が入り続け、それが新しいお客様を生み、ポーラの着実な成長につながっています。 またマルチブランド戦略で、活きのいい新しいブランドが伸びてきているのも大きいですね。THREEや、敏感肌用の化粧品のディセンシアなどがここ数年でものすごく伸びたのも、グループの成長の大きな要因になっていますね。