美しい服の背後にある、スピード、エネルギー、組織や戦略づくりにワクワク 「ファッションビジネスという産業に恋に落ちた」

日本で行われたアニオナのファッションショーから。

 リテール戦略からマーケティング戦略までよどみなく話す彼女のキャリアは、華やかそのもの。大学では数学と経済学を学んだ後、世界的なコンサルティングファームのマッキンゼーに入社。「クライアントの一つとして出合ったフランスのファッションブランドにひと目惚れし、ファッションを一生の仕事とすることを決めました」と話す。

 では、カッラさんが抱いているファッションビジネスの魅力とは何か?「私たちが提供する商品はロングライフなものですが、5~6カ月サイクルのコレクションをベースに、クリエイティブやロジスティクス、生産面などは、半年ごとに戦略を再構築して進化させ続ける必要があります。立ち止まることが許されず、常にスピード感や精力的であることが求められます。お客さまが目にするのは、ファッションショーや美しいモデル、ストア、商品などですが、その背後にはデザイナーもエンジニアもセールス担当も本社スタッフもいて、それらのすべてをマネジメントしないと美しい服はできないのです。そこを私がキレイにまとめ上げて素晴らしい商品やブランド、企業としていくことにやりがいを感じているんです。ファッションという産業と恋に落ちてしまったんです。好きなことを仕事にできて幸せです」とニッコリ。


終わりに代えて。Q&A3本勝負。

Q1:キャリアを成功させるのに重要なことは何?

カッラCEO:何よりも大切なのは、パッションを持ち続けることです。そして、成功に向けて仕事に真剣に従事し、100%をそれに注げることが重要です。立ち止まることなく学び続けること。枠にはまらないこと。内向きではなく外を見ること。競合を学ぶこと。そして、何事も理解することをやめないことだと思います。仕事は人生の大半の時間を占めるものなので、私自身、時間を適正に使いながら、成果を出せるように努力し続けていきたいと思っています。

Q2:自分を高めるためのヒントは?

カッラCEO:前述したことに加え、才能のある人のそばに自分の身を置くことですね。

Q3:座右の銘は?

カッラCEO:アフリカの諺(ことわざ)で、「早く行きたければ一人で行け。遠くへ行きたければみんなで行け」というものです。強いチームを築いて、速く遠く、そして高い場所までたどり着きたいですね。


アレッサンドラ・カッラCEO
1996年にマッキンゼーでキャリアをスタート。リテールの知識を深めた。トラサルディのライセンシング・ディレクターとして、マーケティングの経験を積んだ。ヴァレンティノの海外マーケティング、セールス、リテールのヴァイス・プレジデントに就任。ラルフローレンイタリア CEO、ヨーロッパエリアのゼネラルマネージャーを務め、ウィメンズウェア、アクセサリー、フットウェア、ラグジュアリーブランド部門をシニアヴァイスプレジデントとして指揮。2011年から3年間、エミリオ・プッチCEOを務める。2014年5月にアニオナCEOに就任(現職)。

Text:Kumi Matsushita(Fashion Journalist/Kumicom)