オペレーションコストの削減でリーズナブルな検診を実現

 1週間ほどすると、検診結果が公式ウェブサイトの「マイページ」にアップロードされたというメールが届いた。

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「マイページ」にログインすると、脳ドックの検診結果と医師のコメント、撮影した脳の画像を確認できる。コメントでは、異常の有無と、それにともなうアドバイス、次回の検診のタイミングがリポートされている。

 異常があったときには、同クリニックで診察を受けたり、総合病院の専門医を紹介してもらう。万が一の場合も、治療の部分までフォローしてもらえるのは心強い。

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筆者(41歳・女性)は、ごく軽度の異常が見つかった(矢印の箇所)。この程度であれば、生活習慣に配慮するだけでも改善されていくという。

 こうして、あっけないほどのスピードで完了した脳ドック。低価格、かつ短時間での検診を実現させている理由を、メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニックの知久正明院長に聞いてみた。

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メディカルチェックスタジオ東京銀座クリニック知久正明院長。

「まず、予約、問診票の記入、検査結果のフィードバックをすべてオンライン上で行うことで、オペレーションコストをカット。さらに、検査のオペレーションでもITを活用し、医師の雇用を最低限に減らすことでコストカットを実現しています」

 質の担保にも目配りしている。MRIやCTスキャンの画像は、クラウド経由で提携企業の放射線科医と脳神経外科医がチェック。加えて補助的なAI診断、最後に循環器内科医である知久院長が確認する複数のチェックを経て初めて検診結果が下されるのだ。

検査結果はスマホで確認。異常があれば、診察・専門医の紹介も

 脳梗塞やくも膜下出血、脳卒中などの脳疾患は、日本人の死因の上位を占める。それらを未然に防ぐための脳ドックは、ほかでもない日本で誕生した検診なのだ。

 では、脳ドックでは何がわかるのか。「ひと言でいえば、脳の血流のよさ」だと知久院長は解説する。

「脳の血流が悪い部分は『脳白質病変』と呼ばれ、MRI上では白いシミのように現れます。放っておくと、脳梗塞や血管性の認知症、脳卒中などを引き起こす要因になるのです」

 脳白質病変にはグレード0からグレード4の5段階があり、グレード3までは異変があっても無症状。グレード4、つまり脳疾患になって初めて症状が出るため、脳ドックをしない限り、前兆に気づかないという。

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クリニックは2018年1月に開業。2年間弱の間に2万7000人が受診しているが、80%は脳ドックを初めて受ける人だそう。来院者は、働き盛りの40代男女が多い。

「脳疾患は50代以降がかかるものというイメージがありますが、20代、30代でも前兆の出る人がいることがわかってきました。40代では2割に異常が見られます」(知久院長)。とはいえ脳の異変は、軽微なうちほど改善しやすい。つまり、脳疾患を引き起こすリスクを減らしやすいということだ。

「異変を早期に発見するためにも、健康な状態のデータを撮っておくといいと思います。異変を異変と感知しやすく、またそれだけ改善させやすいということですから」(知久院長)