「スキンケアやメイクに手放せない」と熱烈な支持を得るアベンヌ ウオーターをはじめ、長く愛される名品を数多く擁するアベンヌ。医薬品メーカーであるピエール ファーブルが手掛けるデルモコスメティック(皮膚科学に基づく機能性化粧品)ブランドとして、世界中で売り上げを伸ばしているという。そのヒットの理由や日本との深い縁、そして今年のノーベル平和賞受賞者を支援してきた知られざる社会貢献活動について、ピエール ファーブル グループを率いるデュクルノーCEOにNikkeiLUXE編集長の米川瑞穂が聞いた。

1年間に220万本売れるアベンヌ ウオーターなど、メガヒットが続々誕生する秘密

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米川(以下Y):今年アベンヌは日本市場で売り上げが6.2%アップ、中でもアベンヌ ウオーターは16%もプラスで、年間220万本も売れたそうですね。

デュクルノーCEO(以下D):世界的に見ても、アベンヌは非常に好調なんです。2018年9月の時点で前年比プラス5%を達成しており、化粧品市場全体の成長は3.5%といわれているので、それをかなり上回っています。そして日本におけるアベンヌは、医薬品メーカーであるピエール ファーブルと資生堂がタッグを組んだ、最も歴史がある日仏合弁企業のひとつ。ブランドロゴも日本人デザイナーが手がけており、「日本に育まれた」といっていいくらい関係が深いのも、成長にいい影響を及ぼしていると思います。

Y:世界的に見ても、アベンヌ ウオーターはNo.1の人気製品なのでしょうか?

D:どの市場でもアベンヌ ウオーターはトップですが、日本での売り上げは特に高く、約30%を占めています。他の国ではもう少し、基礎化粧品の割合が多いですね。美容はその国の文化に大きく影響されるので、日本の「水」を大切にする文化と関係があるのかもしれません。

南フランスの国立公園の中で湧出するアベンヌ温泉水をスプレータイプの化粧水に。肌を優しい潤いで満たしてくれる。 アベンヌ ウォーター 50g ¥700、150g ¥1,500 、300g ¥2,200(すべて編集部調べ)/ピエール ファーブル ジャポン

Y:「水」を大切にする文化……実は私の苗字も名前も「水」関連の漢字が使われているのですが、日本語で「水」を意味する表現や名前はとても多いですし、日本人の中にそうした側面はあるかもしれませんね。さて日本では、以前からアベンヌを購入している40~50代と、10~20代の新たなファンの2つの顧客層が増えているそうですが、こうした流れも世界で共通していますか?

D:日本の10~20代の市場は、日本の研究所で初めて開発した「ミルキージェル」が大ヒットしたことが牽引していると思います。デジタルメディアでのコミュニケーションを強化したのも大きいですね。また、これは世界中の若い世代に共通していえることですが、自然由来成分にこだわりをもっている方が多いのも、アベンヌが支持を得た理由だと思います。

Y:私は薬用ハンドクリームや薬用リップケア モイストなどパーツケア製品も愛用しているのですが、これらもかなり売れているそうですね。

D:確かにこの2製品は日本ではとても売れていますが、これらは日本向けに処方を変えたのがよかったのだと思います。

アベンヌ温泉水とミツロウが配合された保湿効果の高い薬用ハンドクリーム。 薬用ハンドクリーム 102g ¥1,500、しっとりとしたテクスチャーとラップ効果で乾燥や刺激から唇を守るリップクリーム。 薬用リップケア モイスト 4g ¥ 1,050(すべて編集部調べ)/ピエール ファーブル ジャポン

Y:そして、敏感肌の方からの支持も根強い。

D:そうですね、皮膚は健康状態のバロメーターみたいなものなので、どこか身体の調子が悪いと、それが皮膚に表れてしまいます。最近は大気汚染や公害、そしてストレスの増加などで、世界的にもアレルギーや皮膚トラブルが増えています。たとえば中国などは汚染がひどいので、皮膚がとても乾燥するとか、炎症に悩む人がとても多いです。大気汚染の影響を受けた肌をきれいにクレンジングし、保湿し、バリア機能のある化粧品をつけてもらうことが大切です。
 また食物アレルギーが皮膚に影響することも多く、ピエール ファーブルは製薬会社でもあるので、そうした研究も別途続けています。特に消化器系のトラブルと皮膚の状態は密接に連動しているんですよ。

Y:「肌を守る」という点では、来年、アベンヌから発売される新しい日焼け止めを少し試させていただいたのですが、テクスチャーがいいのですごく人気が出そうだなと感じました。

D:日本は昔からの化粧文化として、白粉(おしろい)やファンデーションなどを塗って肌をガードし、日光を避けるという習慣があります。他の国では皮膚がんの一種である黒色腫(こくしょくしゅ)というものが非常に多いのですが、日本においては全世界の平均に比べて病例が少ないんですね。それらはこうした習慣のおかげだと思いますし、日焼け止めはもちろん重要なアイテムです。