日本の伝統文化によって醸し続けられる国酒「日本酒」。移りゆく季節やシチュエーションに沿って、毎月厳選した3本を紹介する。今月は、冷え込むこの時季に、身体の芯から温まるお燗に適した日本酒をラインナップ。

[画像のクリックで拡大表示]

 さまざまな温度で味わうことができるのも、日本酒の魅力のひとつ。温めることで味わいが膨らみ、すっと身体に染み入ってくる燗酒は、日本酒の異なる表情を感じるさせるはず。今回は注目されている3つの蔵から、お燗向けにつくられた製品を紹介する。つくり手の思いがこもった誕生ストーリーとともに、じっくりと味わいたい。

乳酸菌と古酒が燗酒の魅力を導く「風の森 ALPHA TYPE 5 Ver.4」

[画像のクリックで拡大表示]
「風の森 ALPHA TYPE 5 Ver.4 」720ml¥1,500

 温める日本酒の魅力を世界中にを伝えたいと「燗SAKEの探求」をテーマにした、ALPHA シリーズのTYPE 5。乳酸発酵による独自の酒母を使うことで、乳酸菌の紡ぎ出す酸が酒質に複雑味と幅を与えている。さらに、仕込み水の一部に10年古酒を使用することで、歳月によって生まれる自然な甘みや奥行きをプラス。ミルフィーユのように折り重なるような酒質に仕上がっている。ボトルには温度を表示するシールを貼付してあり、徳利や酒器の外側に貼ると、30~35℃前後で黒からピンクに変化するというので、こちらを目安に楽しみたい。

 油長酒造は享保4年(1719年)創業。それまで営んできた製油業から酒造業へ転じる際、酒造りに欠かせない良質の水を求めて現在の地に蔵を築いた。代表銘柄は「風の森」と「鷹長」のほか、独創的な技術で日本酒の可能性を追求する「ALPHA」を展開。「ALPHA」シリーズでは、地元の風の森峠の周囲で栽培される「秋津穂」を全量使用。これは一般米でありながら醸造適性が高く、1998年の風の森ブランド立ち上げ以来使い続けているという、フラッグシップ米だ。


油長酒造
奈良県御所市1160
TEL:0745-62-2047
http://www.yucho-sake.jp/