映画を楽しみたい季節。伝説のシャンソン歌手バルバラを描き、フランスで数々のアワードを総なめにした『バルバラ ~セーヌの黒いバラ~』はこの秋、必見の作品。2018年11月16日(金)の全国公開に先駆け、主人公バルバラを演じたジャンヌ・バリバールが来日。特殊な演出方法での撮影に挑んだ女優の胸中を語ってくれた。

[画像のクリックで拡大表示]
Photo:You Ishii

真性のフランス女優、来日

 「Bonjour(=こんにちは)」と歌うようにつぶやきながら、颯爽とインタビュー会場に現れたジャンヌ・バリバール。凛とした佇まい、そして立っているだけで漂う圧倒的な存在感が、真性のフランス女優であることを物語る。彼女が『バルバラ ~セーヌの黒いバラ~』の主演女優として対峙したのは、1950年代から90年代にかけて活躍したシャンソン歌手バルバラ。「黒い鷲(ワシ)」「ナントに雨が降る」などの名曲を自作し、公演の宣伝を一切うたずして客席を満席にしたことで知られる伝説の歌姫だ。

[画像のクリックで拡大表示]
Photo:You Ishii

 だがこの映画は単なる伝記映画ではない。ジャンヌ・バリバールが演じるのはバルバラ本人ではなく、作中の映画の中でバルバラを演じる女優ブリジット。本作の監督であり、かつてジャンヌ・バリバールの私生活のパートナーでもあったマチュー・アマルリックが作中でも監督として登場するという、交錯的なアプローチが話題の作品だ。ジャンヌ・バリバールは難解な脚本を通してカリスマティックなディーバを熱演し、セザール賞主演女優賞はじめ、多くの映画賞を獲得した。

[画像のクリックで拡大表示]
Photo:You Ishii