オーデマ ピゲとアートの深い関係。

 オーデマ ピゲの今後の企業戦略のひとつとしてアート・バーゼルへ参入後、「オーデマ ピゲ アートコミッション」が発足しました。これは毎回、ゲストキュレーターによるアーティストの選抜が行われ、ル・ブラッシュと工房での体験を資金および技術的支援を受けながら作品としてアウトプットするもの。僕がアート・バーゼルに参加したり、今こうして銀座キュレーターズラウンジのオープンを記念して作品が展示されているのは、こういったオーデマ ピゲのアート活動の一環です。日本に来るのは今回が初めてですし、日本の洗練された独自の文化は他のどの国よりも刺激的でずっと来たいと思っていましたから、僕は本当にラッキーだと思いますね。

 オーデマ ピゲの原点であるスイスのジュウ渓谷は、冬の間ずっと雪で閉ざされる雪深い場所。住人たちにとってはもちろん一大事ですが、時計職人たちにとってはあらゆる雑音から隔離されたこの環境こそが、時計製造技術の進化へと結びついたので、ある意味“恩恵”となりました。彼らは雪深い工房の中で黙々と時計づくりに取り組み、雪解けとともに完成した“コンプリケーション(複雑機構)”を世に披露し、それが店頭で売れたり称賛を浴びたりする。それは僕らアーティストも然り。1年以上もの間、アトリエの中にこもりきりで黙々と作品づくりに取り組み、やっと完成したら個展や展示会で発表する。時計職人とアーティストには、多くの共通点があります。

Wave Cabinet:波打つキャビネット。「“ボックスシリーズ”の一部で、僕がこれからもずっと取り組んでいきたいプロジェクト。日本の折り紙がインスピレーション源になりました。折り方、開け方、フォルムの変化に無限の可能性があります。これは世界で唯一僕だけのアイディアです」。そして、チリの女性の髪留めにヒントを得た“鍵”を中央に差し込めば、小さく波打ってオープンした状態に。WAVE CABINET オリジナルムービー https://www.youtube.com/watch?v=Vye7whtWStI
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 先日、オーデマ ピゲ創業一族の4代目現副会長のオリヴィエ・オーデマさんにお会いしたのですが、物理学の博士号を持つとても落ち着いたスマートな紳士です。オーデマ ピゲは家族経営なので、何かを決定するのも少人数でしかも早い。そして僕らアーティストたちに、ロゴをいっぱい使えとか、時計の文字盤をテーマにした作品を作れ、といった強制もしない。ブランドとしても戦略にのっとって僕らに投資しているとはいえ、宣伝やセールスでのリターンを気負わせることなく完全な“自由”を与えてくれる。そこは、本当に敬意を払うべき点だと思っています。

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