「日本の和菓子は外国人には甘すぎる」―― 小豆を原料とする餡(あん)を使う和菓子について、こうしたイメージを抱く人は少なくないだろう。しかしこの考え、今や過去のものになりつつあるようだ。

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「羊羹コレクション in NY」は、11月初旬に米国ニューヨーク、マンハッタン内の「PROJECT FARMHOUSE」で開催された。

 日本の寿司も数十年前は、生魚を食べる習慣がない欧米人の間で「生臭い」と敬遠されがちだった。しかし今や寿司は世界中で受け入れられ、寿司のみならずうどんやラーメンといった日本食は海外の主要都市で人気を集めている。日本酒もまたしかりだ。

 近年、海外で抹茶ブームが起きているのもこうした流れのひとつだろう。ポリフェノール(茶カテキン)が豊富でテアニンなどのアミノ酸も含む抹茶は、ヘルシーな“スーパーフード(有効成分を多く含む食品)”として知られるようになり、“Matcha”という言葉がそのまま通じるほど、海外での認知度は高い。

 この“日本食ブーム”の波が、スウィーツにも押し寄せようとしている。羊羹や上生菓子といった日本古来のスウィーツに今、ニューヨークのセレブリティや著名人らインフルエンサー(社会に与える影響力が大きい人物)が注目しているというのだ。

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「羊羹コレクションin NY」では、上生菓子の実演制作も行われた。写真奥、左から2人目が、東京・向島の「青柳正家(あおやぎせいけ)」社長の須永友和氏。右から2人目が、浜松にある「巌邑堂(がんゆうどう)」社長の内田弘守氏。

 こうした流れを追い風に、今年11月初旬、米ニューヨークで羊羹を紹介する『羊羹コレクション in NY』が2日間にわたり開催された。東京を中心に全国に展開する「虎屋」をはじめ、千葉の「なごみの米屋(よねや)」など日本の老舗和菓子店14店がこのイベントに参加。

 羊羹はもちろん、デモンストレーション会場で菓子職人が作るできたての上生菓子を試食できるだけでなく、着物姿の茶道家らが丁寧に点てる呈茶も楽しめるとあって、会場はオープンしてすぐに来場者の熱気に包まれた。

 このイベントが経済産業省の支援する「JAPANブランド育成支援事業」に認定されたこともあり、在ニューヨーク日本国総領事館で総領事・大使主催のレセプションパーティーがイベント前夜に開催され、アメリカの食文化を牽引するニューヨークセレブや有力メディアが足を運んだという。