明日香:なるほど。樽の数とも合わせながら、そういった使い分けをするのですね。

フランシス:明日香さん、この樽の中では、アンボネのピノ・ノワールが熟成中です。

明日香:(音を聞いて)パチパチと弾けるような音がします。酵母がいきいきと踊っているみたい!

フランシス:ステキな表現をありがとう。ワインが美味しく仕上がりそうですね。

明日香:こちらこそ、貴重な体験をありがとうございます!

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テイスティングルームにて。いつか5代目になる予定の息子、シャルルさんも一緒に。

明日香:(1階にあるテイスティング・ルームに移動して。ここからは息子のシャルルさんも一緒に)シャルルさんはまだ21歳でいらっしゃるんですよね。いつからお父さまと一緒に働いているのですか?

シャルル:15歳のころから父の仕事を継ぎたい、と決めていました。小さいころから手伝いはしていたんですが、仕事として取り組んで2年ほどになります。

明日香:継ぎたいと思われたきっかけは?

シャルル:私にはパリに行って会社勤めをするのは向いていないと思いますし、大好きなアンボネ村で、ずっとそばで見てきた父の仕事を一緒にやりたかったんです。
 また、僕は農業高校に行ったのですが、先生方の教えと父のやり方がいろいろと違うので、毎回父に質問して議論するたびに、父の偉大さに気づき、この世界で生きていきたいと思うようになりました。

明日香:お父さまが、いちばんの先生なんですね! 現在、ドメーヌ・エグリ・ウーリエは、国内外でカルト的な人気を博しています。フランシスさんは、国外のマーケットにも目を向けているんですか?

フランシス:私にとってはシャンパーニュ造りに集中することが第一なので、最初から進出を狙っていた、ということは決してないですね。ただ、フランス国内だけでなく、さまざまな国の方にも評価されるのは非常にうれしいことです。例えば、明日香さんとのこの対談が、日本の多くの方に楽しんでいただけるのであれば、とても喜ばしいことですし。

明日香:そう言ってくださって、ありがとうございます。やはり、素晴らしいシャンパーニュにはおのずと評価がついてくるんですね。

フランシス:実は、私自身はセールスやコミュニケーションがあまり得意ではない、というのもあるんです(笑)。シャンパーニュ造りがいちばん大事な私の仕事で、私が造ったものが、私の気持ちや考えを代弁してくれていると思っています。

明日香:まさしくそのとおりですね!