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〈左〉左から、「ブリュット・グラン・クリュ」、「ブリュット・グラン・クリュ・ミレジメ2009」、「ブラン・ド・ノワール・グラン・クリュ」、「コトー・シャンプノワ・アンボネ・ルージュ2016」。〈右〉最後に、年間3000本と極少量のみ造られる赤ワインを。冷涼なため、2年間かけてじっくり熟成させる。

フランシス:では、テイスティングを始めましょうか。グラン・クリュのブラン・ド・ノワール(黒ブドウ100%で造った白のシャンパーニュ)です。

明日香:これは、ドメーヌの代表作ともいえるシャンパーニュですよね。私のエグリ・ウーリエ初体験は20年前なんですが、そのとき飲んだのが、このキュヴェなんです! 私には思い出深くて。

フランシス:そんな昔に私のシャンパーニュを味わってくれていたなんて、うれしいです! 実は89年に、私が初めてブラン・ド・ノワールをリリースしました。いまではブラン・ド・ノワールって当たり前ですけど、それまでは存在しなかったんです。

明日香:ええっ!? フランシスさんは、ブラン・ド・ノワールの先駆者なんですね!

フランシス:はい。小さいころからいろいろと研究するのが好きなので、その成果ですかね(笑)。

明日香:フランシスさんがシャンパーニュを造るうえで、いちばん大切にしていることは何ですか?

フランシス:造り方のポイントについては教えられないけど(笑)、10年たってから飲んでもまだポテンシャルがあって、グランヴァンに近づいている、と感じさせるシャンパーニュを造るというのが目標です。
 いまの評判や評価はこれまでの積み重ねがあってのものなので、毎年プレッシャーを感じています。収穫、圧搾をそれぞれいつやるか、樽の割合をどうするか、6年寝せるか7年寝せるか、など、随時行ってきた判断の蓄積があるからこそ、いまこうしてみなさんにお話しすることができるようになったと思います。
 いちばん必要なことは、“確固たるビジョンをもつこと”です。

明日香:こんなにも熱い思いを真摯に語ってくださって、本当にありがとうございました!

杉山明日香
理論物理学博士。ワイン研究家。唎酒師(ききざけし)。
有名予備校で数学講師を務める傍ら、ワインスクール「ASUKA L’ecole du Vin」にてソムリエ資格試験対策講座を主宰。東京・西麻布のワインバー「GOBLIN」、パリの和食店「ENYAA Saké & Champagne」を経営するほか、ワインと日本酒の輸出入業も。東京とパリを2週間ごとに行き来する多忙な日々。著書に『ワインの授業 フランス編』『ワインの授業 イタリア編』『受験のプロに教わるソムリエ試験対策講座』など。

Photos: Yuji Ono Text: Asuka Sugiyama Editor: Kaori Shimura

前編

杉山明日香のシャンパーニュ紀行 Vol.5 エグリ・ウーリエ〈前編〉

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