明治や大正、昭和初期に建てられた建造物には、現代の建物とは異なる魅力がある。DJ、モデル、ファッションデザイナーとして多彩な顔を持つMademoiselle YULIA(マドモアゼル・ユリア)が、そんな近代建築をナビゲート。今回は、新宿区河田町の小笠原伯爵邸を訪れた。

MADEMOISELLE YULIA
東京生まれ。DJやシンガー、モデル、ブランド“Growing Pains”のデザイナーとして活躍。国内外のコレクションのフロントロウを飾る、ファッションアイコンとしての顔も持つ。また、2018年4月から大学で日本の伝統文化について学んでいる。大正時代や歌舞伎、着物などに造詣が深い。http://yulia.tokyo/yulia/

日本を代表するスパニッシュ様式の邸宅

 都営地下鉄大江戸線「若松河田」駅からすぐのところに、スパニッシュ様式の建築が美しい小笠原伯爵邸はある。現在はレストランとして営業しているので、訪れた人も多いかもしれない。もともとは礼法の宗家、小笠原家第30代当主、小笠原長幹(おがさわら・ながよし)伯爵の本邸として昭和2(1927)年に竣工した。設計を担当したのは、曽禰達蔵(そね・たつぞう)と中條精一郎(ちゅうじょう・せいいちろう)が率いる曾禰中條建築事務所。慶應義塾図書館旧館や講談社旧本館、東京海上ビルディング旧館といった、後世に強い影響を与えた建築事務所の最盛期の作である。

スペイン瓦の屋根とクリーム色の外壁、鉄製の飾り格子など、日本のスパニッシュ様式を代表する作品として知られる。ドレス¥206,000/レッド ヴァレンティノ(レッド ヴァレンティノ インフォメーションデスク TEL:03-6384-3534) その他ユリアさん私物 
[画像のクリックで拡大表示]

「私がデザインしているブランド『グローイング ペインズ』の2018年春夏コレクション発表の場に小笠原伯爵邸を選びました。ショーを行うにあたり、何度も下見に訪れ、その都度内装や外装に関してたくさん質問をしたことを覚えています。だから、とても思い出深い場所です」(ユリアさん)

 広い車寄せから目に飛び込んでくるのは、掻き落とし仕上げと呼ばれるクリーム色の外壁。葡萄棚モチーフがあしらわれたキャノピー(ひさし)をくぐると、扉の欄間にあしらわれた鳥かごの細工が来訪者をあたたかく迎えてくれる。

[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]
〈左〉葡萄のつると葉、実をモチーフにしたキャノピー。〈右〉鳥かごモチーフの鉄製ファンライト。邸内の至るところで見ることができる小鳥モチーフが、小笠原伯爵邸が別名「小鳥の館」と呼ばれるゆえん。

SHARE

  • sp-fb01
  • sp-tw01
  • sp-line01
400-300

forrow us この記事をお伝えした
NikkeiLUXEをフォロー
して最新記事をチェック!

  • sp-fb02
  • sp-tw02