キャンドルの灯りのみが頼りの、ディープなバーで一杯「kazu bar」

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 数多くの飲食店が軒を連ねる四条河原町エリアで、ひと際異彩を放つバーがある。多様なバーカルチャーを育んできた京都で今、一番ディープな店といっても過言ではないだろう。何しろ看板はなく、電話もない。何故なら店名もないからだ。「ななし」「ネームレス バー」と呼ばれたりすることがあるが、“カズさん”の愛称で親しまれるマスターの名前をとって、「カズ バー」と称されることも。店内の灯りはキャンドルのみ。暗闇に目が慣れてくると、壁紙を剥がして中が剥き出しになった壁や天井が見えてくる。ゆらゆらと揺らめくロウソクの炎が心地よくなる頃には、この異空間がたまらなく愛しくなってくる、不思議なバーだ。「隠れた場所って、ワクワクしますよね。京都には、公にしなくても存在し続けるディープな場所が多い気がします。隠れた美に皆、興味が湧くのです。多くを加えずとも漂う奥深さや独特の佇まいも京都ならではですね」とルシールさん。彼女の京都の“隠れ家”は、いつも外国人や常連客で大にぎわいだ。

かつてアパートだった古ビルの3階。エントランスは小さな灯りのみ。
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キャンドルの灯りが優しく揺れる店内。アルコール類も豊富。
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奥には10人座れるテーブル席も設けてある。
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漆喰と白ペンキを組み合わせて塗ったテーブルも独特の風合い。
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カウンター席は夜な夜な、国内外から人が集まってくる。
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暗闇に慣れるまで少し時間がかかる、オンリーワンの空間。
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nameless (kazu bar)
京都府京都市中京区備前島町309-5
TEL:なし
営:21:00~5:00
不定休

Photos:Shin Ebisu Text:Chikako Ichinoi Edit:Yuka Okada